歯科治療を行う際に、歯型取りの工程に苦手意識を持つ方も多いのではないでしょうか。
従来では歯型を取る際に「印象材」というペースト状の材料を使う方法が主流でしたが、
近年ではより簡単に歯型を取れる「口腔内スキャナー」が注目されています。
本コラムでは、従来の歯型取りと口腔内スキャナーの特徴を比較してご紹介します。
従来の歯型取りに苦手意識のある方は、ぜひご覧ください。
従来の歯型取り(印象採得)とは歯型取りは「印象採得(いんしょうさいとく)」とも呼ばれ、
従来の方法では印象材を使用します。
印象材とは歯型を取るための素材で、大きく3種類に分けられます。
•アルジネート印象材
•シリコーン印象材
•寒天印象材
アルジネート印象剤はピンクのゴムのような素材で、硬化するまで1〜3分程度かかります。
歯並びに大きな乱れがある場合は不向きなため、寒天印象材と一緒に使うケースがあります。
シリコーン印象材と寒天印象材は、精度の高い歯型が取れる素材で、
硬化するまでに5分程度かかります。シリコーンゴムは硬いため硬化後に取り出しづらく、
患者さまに負担がかかる素材です。
寒天は天然由来の材料のため安全ですが、湿度が高いとうまく歯型を取れなくなる恐れがあります。
印象材を使った歯型取りのデメリットは、嘔吐反射が出やすい点です。
印象材に不快感のある方はより簡単に歯型が取れる口腔内スキャナーを
導入している歯科医院での治療を検討しましょう。
従来の歯型取りと比較|口腔内スキャナーのメリット
口腔内スキャナーは光学スキャンを利用し、歯や歯ぐきを3Dデジタルデータとして表示する機器です。
光とセンサーによって、精密に歯型を撮影しデータ化できます。
メリットは以下の通りです。
•短時間で歯型取りが終わる
•患者さまの負担が少ない
•治療期間を短縮できる
口腔内スキャナーは口腔内に小型カメラを入れて約1分でスキャンが完了するため、
嘔吐反射が出やすい方も安心して歯型取りが可能です。
採取したデータは、すぐに詰め物やマウスピース作製に利用できるため、
治療期間を短縮できます。
仮にマウスピース矯正を行う場合、従来の歯型取りと比較して10〜14日程度の短縮が可能です。
口腔内スキャナーの特徴については、以下のコラムもご覧ください。
「口腔内スキャナーとは?その仕組みと特徴」
当院では、口腔内スキャナーを使った治療が可能です。従来の歯型取りに苦手意識がある
方は、ぜひ当院にご相談ください。
Q1:印象材で嘔吐反射を起こさない方法はありますか?
A1:鼻呼吸や腹筋に力を入れることで、嘔吐反射が軽減される場合があります。
印象材による歯型取りが苦手な方は、口腔内スキャナーを導入している歯科医院で治療を
受けるとよいでしょう。
Q2:口腔内スキャナーには種類がありますか?違いはなんですか?
A2:口腔内スキャナーは各社よりさまざまな種類のものが発売され、
それぞれサイズ・性能・スキャン速度などが異なります。
当院では、より高精度なスキャンが可能なiTeroを導入しています。